勤め先やバイト先からお金を借りる方法なんてあるの?
日々生活していると、急にお金が必要になったりすることがありますよね。そういうとき、どのような方法でお金を捻出したらいいのか考えたことありますか。
今回は、勤め先やアルバイト先からお金を借りることができるのかということを、法律的にはどうか、大手企業と中小企業で扱いの違いがあるかなどを探っていこうと思います。
もし借りられるとしたら、どのような場合に借りることができるのか、希望者全員借りることができるのか、また、会社からお金を借りずに済む方法なども併せて説明していきます。
会社に勤めている人はもちろん、アルバイトをしている人も、他人事だと思わずに、もしもの時のための知識としていただければと思います。
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会社からお金を借りるってことができるの?
勤め先やバイト先から給料を前借りしたい、お金を借りたい、はたしてそんなことは可能なのでしょうか。その答えは、労働基準法を見てみると見えてきます。
給料の前借りできる?労働基準法ではどう判断?
まずは、給料の前借りは可能なのかどうかについてを、労働基準法第17条(前借金相殺の禁止)を読み解いて説明しようと思います。
第17条 | 使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。 |
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もし労働者が給料の前借りをすると、その分は最低限働かなくてはならず、転職も退職もできない、つまり強制労働となり、使用者側は労働基準法違反となります。
会社からお金を借りることはできないの?
では、全くお金を借りることはできないのでしょうか。それについては、労働基準法の第25条(非常時払)から読み解くことができます。
第25条 | 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。 |
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- 労働者、もしくは労働者の妻が出産
- 急な事故や病気で入院
- 自然災害による損害
- その他やむを得ない事情
上記のような厚生労働省令で定められている非常時の場合は、労働者が請求すれば、会社側もそれに応じる義務があり、「給料の前借り」というよりは「給料の早期受け取り」ができるということになります。
申請方法については、会社で個別に規定がされていると思うので、福利厚生を担当する部署と相談の上、書類などの準備をするようにしてください。
単純に、今月ピンチだ、生活費が足りない、などという理由で借りることはできないので、そういう場合は別の方法を検討した方が良さそうです。
従業員貸付制度を導入している会社もある
福利厚生の一つとして、「従業員貸付制度」を設けている会社があります。文字通り、従業員にお金を貸し付ける制度で、「社内貸付制度」という会社もあります。
ただし、利用するにはいくつか条件があり、金額なども労働者個人ごとの事情などによって違ってきますので、全員が利用できるとは限りません。
会社として、従業員貸付制度を設けなければいけない、というものではありません。中小企業より、大手企業の方が設置されている場合が多いようです。
- 年収
- 勤続年数
- 勤務態度
- 目的
- 必要額
- ボーナスの時期
上記項目を確認し、条件が合えば借りることができます。ボーナスの時期が近ければ、ボーナスで一括返済も可能なので、その分多く貸してもらえる可能性があります。
もしお金を借りようと思ったときに、勤め先にこのような従業員貸付制度があったら、一度福利厚生を担当する部署に相談してみるといいと思います。
従業員貸付制度を詳しく見てみよう
従業員貸付制度は、従業員にとっては金融機関などから借りる必要がなく、便利でありがたい制度ですが、会社にとっても、設置するのにはそれなりに理由があります。
従業員貸付制度設置の理由の一つは金銭トラブル回避
- 福利厚生
- 従業員間でのトラブル回避
- 消費者金融などからの借金で仕事に支障が出るのを防ぐ
一つには、会社独自の福利厚生として制度を設けているということです。従業員に安心して働いてもらうための制度としての側面があります。
二つ目には、従業員間でのお金の貸し借りによるトラブル回避のためという目的があります。同僚からお金を借りて、後々トラブルになるということを防いでいます。
三つ目の理由は、二つ目と同じく金銭トラブル回避です。金融機関やヤミ金などからお金を借りることによって、従業員だけではなく、会社にも影響が出ることを防ぐのです。
特にヤミ金からお金を借りてしまった場合、会社に取り立ての電話などがかかってきて業務に支障が出たり、従業員も借金が原因で仕事に身が入らなくなっては困ります。
会社は、従業員の金銭トラブルによる業務絵の悪影響や、会社のイメージダウンを事前に防ぐ目的で、従業員貸付制度を導入しているわけです。
従業員貸付制度にもメリットデメリットがある
メリット | 給料やボーナスから天引き 低金利 |
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デメリット | 勤続年数が短いと借りられない 即日借入は難しい 多額の借り入れはできない 昇進などに影響する可能性 |
ほとんどの場合、給料もしくはボーナスからの天引きで返済することになるので、わざわざ振込をしたり口座残高を確認する必要がありません。
貸付制度なので無金利ではありませんが、ほとんどが相場の最低金利に0.3%上乗せした程度なので、非常に低金利で借りられます。無担保で借りられるところが多いですが、連帯保証人を必要とする会社もあるようです。
多くの会社では、勤続年数3年ないし5年以上の正社員を対象にしていて、アルバイトなどの非正規雇用の従業員はこの制度を利用することはできないようです。
即日借入ができるかどうかは、会社側でどのように規定しているかで違うので、なんともいえません。会社の財務状況などでも違ってくるので、借り入れの日程は会社側に確認する必要があります。
いくらまで借りられるかは、会社の規模や勤続年数、年収などで個人差はありますが、一般的には10万円~50万円程度は借りられるようです。
あくまで福利厚生の一環なので、銀行や消費者金融のように、高額で借りられるというものではありません。必要最低限の貸付にとどめることが重要です。
一番のデメリットであるのが、人事考課において昇進や昇給に影響が出る可能性があることです。福利厚生を利用するのは従業員の権利ではありますが、会社からお金を借りるというのは余程のことです。
どこかで金銭トラブルを起こしたり、金銭トラブルによって業務に集中できない人かもという判断をされ、少なからず評価に影響する可能性があるのです。
貸付をするかどうかは、その従業員の業務態度や実績、人柄なども総合的に判断していることが多いので、日頃から真面目に仕事をしている人ほど利用でき、また人事考課への影響は少なくなると思います。
勤め先やバイト先から借りずに済む方法
給料の前借り(早期受け取り)や従業員貸付制度は、アルバイトだと利用できない可能性が高いのですが、では、アルバイトの人がお金を借りたり、また従業員が高額借り入れするには、どのような方法があるのでしょうか。
カードローンなど社外から借りるという選択肢
- カードローンなどの無担保ローン
- クレジットカードのキャッシング
- 預貯金の切り崩し
カードローンは今やどの金融機関でも取り扱っています。申し込みをして審査を受け、通れば借りることができます。収入などによって利用限度額に上限はありますが、コンビニATMからでも利用できるカードローンも多いので便利です。
ただし、誰しもが借りられるわけではありません。定職に就いていないと基本的に借りられないなど、審査の項目は細かく厳しいので、まずは申し込みができる条件などを確認してください。
最近は無職の専業主婦や、パート・アルバイトであっても利用できるカードローンが増えてきましたので、利用も検討してみるといいと思います。
キャッシング機能があるクレジットカードを利用する方法もあります。クレジットカードを持っていれば申し込み不要で提携ATMから借りることができます。利用限度額はカードの利用状況によって変動します。
カードローンやキャッシングは、金利が従業員貸付制度の金利よりも高いので、返済計画をしっかり立てておく必要があります。返済も忘れずに期日までにしましょう。
もし預貯金があれば、それを解約するなどして用立てる方法もあります。どこかに返済することもないので、一番安全安心な方法ではあります。今の内にあらかじめ金額を決めて、毎月預貯金しておくことをお勧めします。
お金は借りないに越したことはない!
今回のテーマである、「会社からお金を借りることができるか」という点に関して、「前借りではなく給料の早期受け取りは可能」、「従業員貸付制度がある会社もある」ということはお分かりいただけたと思います。
会社からお金を借りることは法的には可能
労働基準法第17条では、お金を貸すことによって強制的に労働をさせることを禁止していますが、第25条によって、従業員の求めに応じ、給料の前借り(早期受け取り)ができるようになっています。
ただし、これらは会社側の裁量に任されているので、借りられる金額が会社によって違ったり、従業員貸付制度のない会社もあります。福利厚生を担当する部署に問い合わせをして利用できるか確認しましょう。
お金を借りずに済む生活をすることが大切
給料は毎月使い切るという人がいます。自分で働いたお金なので使い方は自由ですが、いざというときに蓄えがないと困ることも出てきます。
毎月少しずつでもいいので、給料を預貯金に回すということ検討してみてください。そして、万が一の時には会社の福利厚生を利用するといいと思います。
ただし、借りたものは返すのが常識です。従業員貸付制度を利用した場合は、給料からの天引きでの返済がありますので、お金は計画的に利用するようにしてください。
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